令和3年版 科学技術・イノベーション白書
この年版の概要
目指すべき未来社会「Society 5.0」の実現に向けた取組を特集。デジタル化・脱炭素化の最先端研究、人文・社会科学と自然科学を融合した「総合知」、大学ファンドなどによる基礎研究力の強化、新型コロナへの対応と科学技術の展望を整理。
令和3年版 科学技術・イノベーション白書は、文部科学省(文部科学省 科学技術・学術政策局)が2021年6月に公表した科学技術・イノベーション白書の令和3年版です。科学技術・イノベーション白書は科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策を毎年国会に報告するもので、例年毎年6月(閣議決定後に公表)に公表されています。 翌年版は令和4年版 科学技術・イノベーション白書、前年版は令和2年版 科学技術・イノベーション白書です。
公表当時の背景
人文・社会科学も振興の対象に加えた科学技術・イノベーション基本法の施行と、2021年3月26日の第6期科学技術・イノベーション基本計画の閣議決定を経て、同年6月8日に閣議決定された。第6期計画はSociety 5.0の実現と総合知による社会変革、知・人への投資を柱とし、コロナ禍が続く中で10兆円規模の大学ファンドの創設も打ち出されていた。白書はこうした計画初年度の方向性を受け、Society 5.0と総合知を特集の中心に据えている。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和3年版 科学技術・イノベーション白書 / Society 5.0の実現に向けて
- 科学技術基本法の改正を受け、本年版から名称を「科学技術白書」から「科学技術・イノベーション白書」に改めた。冒頭でSociety 5.0のイメージを大型イラストで示し、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させて経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会と位置づけている。
- 第1章では社会のデジタル化と脱炭素化に向けた最先端の取組を紹介。仮想空間の基盤技術としてスーパーコンピュータ、AI、量子技術を、仮想空間と現実空間をつなぐ技術として自動運転やロボット作業を取り上げ、脱炭素や防災・減災の研究開発にも触れている。
- 第2章では人文・社会科学と自然科学の「知」を融合した「総合知」による社会課題解決の事例を紹介。第6期基本計画の柱の一つである総合知による社会変革と結び付け、総合知を活用して安全・安心を確保し、一人ひとりの多様な幸せ(well-being)の実現を目指す方向性を示している。
- 第3章ではSociety 5.0実現の基盤となる基礎研究力の強化を取り上げ、10兆円規模の大学ファンドの創設や博士課程学生の処遇改善などを紹介。第6期基本計画が掲げる、多様で卓越した「知」を創出し続け世界最高水準の研究力を取り戻すという目標と結び付けて整理している。
- 第4章では新型コロナウイルス感染症への対応と科学技術の展望を扱い、専門家へのアンケートを基に、コロナ禍の影響で仕事や働き方、健康危機管理に関わる技術の実現が早まるとの予測を紹介。第2部は2021年3月閣議決定の第6期科学技術・イノベーション基本計画に沿って施策を記述している。
出典: 文部科学省「令和3年版 科学技術・イノベーション白書」本文(PDF版) をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和2年版 科学技術・イノベーション白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 令和2年版の2040年の未来予測から、第6期基本計画が目指す未来社会「Society 5.0」の実現へと特集の軸が移り、未来像の提示にとどまらず、デジタル化・脱炭素化、総合知、基礎研究力といった実現のための取組を章立てで整理した。
- 令和2年版では冒頭で4月までの状況を記すにとどまった新型コロナウイルス感染症を、第4章で対応と科学技術の展望として独立して取り上げ、コロナ禍で技術の実現が早まるとの予測を示した。
- 科学技術・イノベーション基本法への改正に伴い白書の名称を改めたほか、第2部の施策報告を2021年3月閣議決定の第6期科学技術・イノベーション基本計画の構成に沿った記述に切り替えている。
主なキーワード
科学技術・イノベーション白書とは
科学技術・イノベーション白書は、文部科学省が日本の科学技術政策と研究開発の状況を毎年国会に報告する法定白書です。第1部で特集テーマ(地域から始まるイノベーション、研究人材、AI・量子などの先端技術、科学技術と社会など)を取り上げ、第2部で科学技術・イノベーション基本計画に沿った施策の実施状況を体系的に記述します。
- 第1部: 特集(その年のテーマに沿った分析と事例紹介)
- 第2部: 科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策(基本計画の章立てに対応)
- 参考資料: 科学技術関係予算、研究開発統計、関連指標
PDF資料(文部科学省公式サイト)
白書本文は文部科学省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
PDF版を閲覧する(外部サイト) →科学技術・イノベーション白書の他の年版
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出典と引用について
本ページの概要・解説は白書ポータル編集部が文部科学省の公式ページと白書本文をもとに執筆したものです。 白書本文の著作権は文部科学省に帰属します。本文の数値・図表を引用する際は「令和3年版 科学技術・イノベーション白書」と該当ページを明記し、文部科学省の利用規約に従ってください。