令和2年版 科学技術・イノベーション白書
この年版の概要
第11回科学技術予測調査を基に、科学技術が広げる2040年の未来社会の可能性と選択肢を大型イラストとともに描く特集。新型コロナウイルス感染症に対する診断・治療法やワクチンの研究開発と、感染拡大で社会の形が大きく変わる可能性を整理。
令和2年版 科学技術・イノベーション白書は、文部科学省(文部科学省 科学技術・学術政策局)が2020年6月に公表した科学技術・イノベーション白書の令和2年版です。科学技術・イノベーション白書は科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策を毎年国会に報告するもので、例年毎年6月(閣議決定後に公表)に公表されています。 翌年版は令和3年版 科学技術・イノベーション白書です。
公表当時の背景
2020年6月16日の閣議決定時は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行のさなかで、診断・治療法やワクチンの研究開発が急がれていた。同月には科学技術基本法が改正されて科学技術・イノベーション基本法へと改められ、翌年度からの第6期基本計画の策定も進んでいた。白書は前年11月公表の第11回科学技術予測調査を土台に長期的な未来社会像を描きつつ、感染症による社会変容の可能性を冒頭で扱う構成となった。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和2年版 科学技術白書 / 科学技術が広げる未来社会の可能性と選択肢
- 第1部は、新型コロナウイルス感染症の流行に対して国内で講じられている研究開発と、科学技術・学術政策研究所が2019年11月に公表した「第11回科学技術予測調査」を基にした2040年の未来予測で構成し、白書として未来予測を初めて本格的に特集している。
- 冒頭では2020年4月までの新型コロナウイルス感染症の状況と、診断・治療法やワクチンの研究開発の取組を記述。感染拡大を受けて今後は「社会の形が大きく変わっていく可能性が高い」と指摘し、深い洞察に基づいた科学技術の振興が求められると提起している。
- 第1章で未来予測の取組を紹介したうえで、第2章では2040年の社会像として「人間性の再興・再考による柔軟な社会」を提示。多様性を認め共生する社会、リアルとバーチャルの調和、デジタルアシスタントとの融合による個性の拡張などの姿を大型イラストで表現している。
- 「システムの不正侵入を防止する技術」など約50の未来予測を、技術的な実現時期と社会での利用開始時期に分けて示す。個人の体験や感覚を記録・共有するメディアは2030年に技術的に実現し2033年に社会で利用可能になるとし、遠隔治療は2030年、手のひらサイズの感染症センサーは2031年の実現を見込んでいる。
- 第3章では未来社会の実現に向けた政府の研究開発等の取組を紹介。第2部では前年度に講じた科学技術振興施策を「サイバーセキュリティの確保」「オープンサイエンスの推進」などのテーマ別に紹介し、「科学技術イノベーションの基盤的な力の強化」などの章立てで整理している。
出典: 文部科学省「科学技術・イノベーション白書」(白書トップページ) をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
- 令和元年版は「基礎研究による知の蓄積と展開~我が国の研究力向上を目指して~」を掲げ基礎研究を正面から取り上げたのに対し、令和2年版は第11回科学技術予測調査を基に2040年の未来社会を描く未来予測へと特集の軸を移した。
- 令和元年版(2019年5月28日閣議決定)の公表後に新型コロナウイルス感染症が拡大したことを受け、第1部の冒頭に感染症に関する研究開発の取組を加え、感染症が社会の形を変える可能性という新たな問題意識を盛り込んでいる。
主なキーワード
科学技術・イノベーション白書とは
科学技術・イノベーション白書は、文部科学省が日本の科学技術政策と研究開発の状況を毎年国会に報告する法定白書です。第1部で特集テーマ(地域から始まるイノベーション、研究人材、AI・量子などの先端技術、科学技術と社会など)を取り上げ、第2部で科学技術・イノベーション基本計画に沿った施策の実施状況を体系的に記述します。
- 第1部: 特集(その年のテーマに沿った分析と事例紹介)
- 第2部: 科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策(基本計画の章立てに対応)
- 参考資料: 科学技術関係予算、研究開発統計、関連指標
PDF資料(文部科学省公式サイト)
白書本文は文部科学省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
PDF版を閲覧する(外部サイト) →科学技術・イノベーション白書の他の年版
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出典と引用について
本ページの概要・解説は白書ポータル編集部が文部科学省の公式ページと白書本文をもとに執筆したものです。 白書本文の著作権は文部科学省に帰属します。本文の数値・図表を引用する際は「令和2年版 科学技術・イノベーション白書」と該当ページを明記し、文部科学省の利用規約に従ってください。