令和6年版 科学技術・イノベーション白書
この年版の概要
生成AIの急速な進展を背景に、AIがもたらす科学技術・イノベーションの変革を特集。国内外の研究開発動向、AI for Scienceによる研究の変化、AIセーフティ・インスティテュートや広島AIプロセスなど安全性確保と国際的なルールづくりの取組を整理。
令和6年版 科学技術・イノベーション白書は、文部科学省(文部科学省 科学技術・学術政策局)が2024年6月に公表した科学技術・イノベーション白書の令和6年版です。科学技術・イノベーション白書は科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策を毎年国会に報告するもので、例年毎年6月(閣議決定後に公表)に公表されています。 翌年版は令和7年版 科学技術・イノベーション白書、前年版は令和5年版 科学技術・イノベーション白書です。
公表当時の背景
生成AIが社会に急速に浸透し、G7議長国の日本が広島AIプロセスを主導した2023年を経て、2024年2月にはAIセーフティ・インスティテュートが設立された。国内でも日本語性能の高い大規模言語モデルの開発や計算資源の整備が進められていた。白書は2024年6月11日に閣議決定され、こうした動きを受けてAIが科学技術・イノベーションと社会にもたらす変革を特集した。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和6年版 科学技術・イノベーション白書(令和5年度科学技術・イノベーション創出の振興に関する年次報告) / AIがもたらす科学技術・イノベーションの変革
- 第1部特集は「AIがもたらす科学技術・イノベーションの変革」。生成AIが急速に進展した背景、国内外の研究開発動向、多様な科学分野でのAI活用(AI for Science)、社会へのインパクトを5章構成で取り上げる。
- 国内では高い日本語性能を持つ大規模言語モデルや軽量モデルの開発が大学・研究機関・スタートアップ等で加速。経済産業省のGENIAC、産総研ABCIの大規模言語モデル構築支援、スーパーコンピュータ「富岳」の活用など計算資源整備の取組を紹介している。
- AIが生成する偽・誤情報や偏向情報による社会の不安定化リスクを踏まえ、令和6年2月のAIセーフティ・インスティテュート設立や、G7議長国として主導し首脳が承認した「広島AIプロセス包括的政策枠組み」を解説している。
- AI for Scienceとして、タンパク質立体構造予測や新材料探索の高速化、大規模データからの科学的仮説生成、AIロボティクスによる研究室の自律化を紹介。理化学研究所を中核に科学研究向けAI基盤モデルの開発を進める。
- 米国・EU・英国等の戦略を比較し、結びでは人材・研究資金・計算資源の確保を課題として、戦略性と柔軟性のあるガバナンス機能の強化、AI for Scienceに挑む研究者支援、人間中心のAIとの共生の重要性を示している。
出典: 文部科学省「令和6年版 科学技術・イノベーション白書」概要 をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和5年版 科学技術・イノベーション白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 令和5年版の地域を起点としたイノベーションから、生成AIの急速な進展を受けたAIによる科学技術・イノベーションの変革へと特集テーマが大きく転換し、先端技術の動向と社会へのインパクトを正面から扱った。
- 研究開発の動向紹介に加え、AIセーフティ・インスティテュートや広島AIプロセスなど安全性と国際的なルールづくり、AI for Scienceによる研究手法そのものの変化を取り上げ、米国・EU・英国の戦略とも比較している。
主なキーワード
科学技術・イノベーション白書とは
科学技術・イノベーション白書は、文部科学省が日本の科学技術政策と研究開発の状況を毎年国会に報告する法定白書です。第1部で特集テーマ(地域から始まるイノベーション、研究人材、AI・量子などの先端技術、科学技術と社会など)を取り上げ、第2部で科学技術・イノベーション基本計画に沿った施策の実施状況を体系的に記述します。
- 第1部: 特集(その年のテーマに沿った分析と事例紹介)
- 第2部: 科学技術・イノベーション創出の振興に関して講じた施策(基本計画の章立てに対応)
- 参考資料: 科学技術関係予算、研究開発統計、関連指標
PDF資料(文部科学省公式サイト)
白書本文は文部科学省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
PDF版を閲覧する(外部サイト) →科学技術・イノベーション白書の他の年版
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出典と引用について
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