令和5年版 防衛白書

防衛省令和5年版公開: 2023年7月ページ最終更新 執筆: 白書ポータル編集部

この年版の概要

2022年12月の国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の策定後初の白書として、三文書の策定経緯と概要を記述。2027年度までの防衛力の抜本的強化と7つの柱、5年間約43兆円の整備計画、「元年」予算とする防衛関係費6兆8,219億円を整理。

令和5年版 防衛白書は、防衛省(防衛省 大臣官房)が2023年7月に公表した防衛白書の令和5年版です。防衛白書は法定白書ではなく、閣議に報告したうえで刊行する年次報告で、例年毎年7月に公表されています。 翌年版は令和6年版 防衛白書、前年版は令和4年版 防衛白書です。

公表当時の背景

2022年12月、政府は国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画を閣議決定し、反撃能力の保有や5年間で約43兆円の防衛力整備を打ち出した。ロシアのウクライナ侵略は長期化し、北朝鮮も弾道ミサイルの発射を繰り返した。白書は2023年7月28日の閣議で配布され、三文書の内容を国民に説明することに重点を置き、策定の経緯や7つの柱、「元年」と位置づけた令和5年度予算を詳しく記述している。

この年版のポイント

  1. 2022年12月に策定された国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の「戦略三文書」策定後、初めて刊行された白書として、三文書策定の経緯と概要を記述している。第II部に三文書それぞれを扱う章を設け、国家防衛戦略は独立した章として新設した。
  2. 防衛力の抜本的強化の目標として、2027年度までに、わが国への侵攻が生起する場合には、わが国が主たる責任をもって対処し、同盟国などの支援を受けつつ阻止・排除できる能力を持つことを掲げている。スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセット防衛能力など7つの柱で整備を進めるとしている。
  3. 防衛力整備計画では5年間で約43兆円という従来とは異なる規模の予算を示し、令和5年度予算を「防衛力抜本的強化『元年』予算」と位置づけている。令和5年度の防衛関係費(デジタル庁計上分を含む)は前年度比1兆4,214億円増の6兆8,219億円。2023年4月には防衛力抜本的強化実現推進本部を立ち上げた。
  4. 中国の対外的な姿勢や軍事動向を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけ、前年版の表現から評価を引き上げている。ロシアによるウクライナ侵略を扱う第2章は前年版に続いて設け、侵略の継続とウクライナの防衛の状況を記述している。2022年度の緊急発進は778回(中国機575回、ロシア機150回)であった。
  5. 第I部で諸外国の軍事動向などの安全保障環境、第II部でわが国の安全保障・防衛政策、第III部で防衛目標を実現するための3つのアプローチ、第IV部で共通基盤の強化を扱う4部構成をとる。巻頭にはダイジェストのほか、世界や全国で活躍する自衛隊員を紹介するページを設けている。

出典: 防衛省「令和5年版 防衛白書」説明資料(標準版) をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。

前年版からの変化

前年版の令和4年版 防衛白書と比べて、主に次の点が変わっています。

  • 令和4年版がロシアによるウクライナ侵略を中心に安全保障環境の分析に重点を置いたのに対し、令和5年版は戦略三文書の策定を受け、わが国の安全保障・防衛政策を説明する第II部を三文書に沿った章立てに改めた。
  • 国家防衛戦略の章を新設し、第III部を防衛目標を実現するための3つのアプローチ、第IV部を共通基盤の強化とするなど、三文書の体系に合わせて全体の構成を組み替えている。前年版で新設したウクライナ侵略の章は、引き続き第I部に置いている。
  • 中国の軍事動向に対する評価を前年版から引き上げ、国家安全保障戦略と同じ「これまでにない最大の戦略的な挑戦」との表現を用いている。あわせて、侵攻が生起した場合にわが国が主たる責任をもって対処するという三文書の目標を、防衛政策の説明の軸に据えている。

主なキーワード

戦略三文書防衛力の抜本的強化スタンド・オフ防衛能力

防衛白書とは

防衛白書は、防衛省が日本を取り巻く安全保障環境と防衛政策を国民に説明するために毎年刊行する報告書です。周辺国の軍事動向の分析、国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画(いわゆる安保三文書)に基づく政策、自衛隊の活動実績、防衛関係費、防衛産業や人的基盤の課題までを網羅します。

例年の構成
  • 第I部: わが国を取り巻く安全保障環境(各国・地域の軍事動向、宇宙・サイバー・電磁波などの新領域)
  • 第II部: わが国の安全保障・防衛政策(安保三文書、防衛力整備の考え方、防衛関係費)
  • 第III部: 防衛目標を実現するための取組(自衛隊の活動、日米同盟、防衛協力・交流)
  • 第IV部: 共通基盤の強化(人的基盤、防衛生産・技術基盤、地域社会との関わり)
  • 資料編: 条約・法令・部隊配置・装備品の一覧
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PDF資料(防衛省公式サイト)

白書本文は防衛省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。

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防衛白書の他の年版

令和8年版 防衛白書
公開: 2026.08

テーマ「未来につながる安全保障」のもと、防衛装備移転三原則の改正と三文書の前倒し改定の年にあたり、「新しい戦い方をめぐる動向」の章と防衛生産・技術基盤の部を新設。防衛関係費8.8兆円、緊急発進595回、自衛官の充足率約9割などを記述。

令和7年版 防衛白書
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令和4年版 防衛白書
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出典と引用について

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