令和6年版 防衛白書
この年版の概要
自衛隊発足70年と白書刊行50回目の節目に、自衛隊70年の歩みを振り返る特集を巻頭に設置。三文書策定から1年間の防衛力の抜本的強化の進捗、防衛関係費7.7兆円、中国の核戦力の増強、緊急発進669回、防衛装備移転三原則の改正などを記述。
令和6年版 防衛白書は、防衛省(防衛省 大臣官房)が2024年7月に公表した防衛白書の令和6年版です。防衛白書は法定白書ではなく、閣議に報告したうえで刊行する年次報告で、例年毎年7月に公表されています。 翌年版は令和7年版 防衛白書、前年版は令和5年版 防衛白書です。
公表当時の背景
2024年は自衛隊発足から70年の節目にあたる。ロシアのウクライナ侵略が続き、中国はロシアとの爆撃機の共同飛行を重ねるなど連携を強めた。木原防衛大臣は白書の巻頭で、国際社会が新たな危機の時代に入ったとの認識を示している。国内では三文書に基づく防衛力整備が2年目に入り、白書は中国の核弾頭の増加見通しなどに触れつつ、抜本的強化の進捗と装備移転の制度改正の説明に紙幅を割いている。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和6年版 防衛白書(日本の防衛) / 巻頭特集 自衛隊発足70年の歩み
- 自衛隊発足70年と白書刊行50回目の節目にあたり、自衛隊70年の歩みを振り返る特集を巻頭に設置。防衛力の抜本的強化の進捗を丁寧に説明することに重点を置いている。
- 令和6年度防衛関係費は歳出ベース7兆7,249億円、契約ベース9兆3,625億円。防衛力整備計画対象経費と補完する取組の合計は8.9兆円で2022年度GDP比約1.6%。計画の契約額43.5兆円のうち2年間で42%を措置した。
- 中国の核弾頭保有数が2030年までに1,000発を超える可能性、2隻目の国産空母「福建」の建造、ロシアとの爆撃機共同飛行などを記述。2023年度の緊急発進は669回(中国機479回、ロシア機174回)。
- 12式地対艦誘導弾能力向上型の配備とトマホーク取得を1年前倒して2025年度から実施、イージス・システム搭載艦の建造着手、滑空段階迎撃用誘導弾(GPI)の日米共同開発など、防衛力の抜本的強化の進捗を記述している。
- 2023年12月の防衛装備移転三原則・運用指針の一部改正、フィリピンへの警戒管制レーダー納入(完成装備品移転の初案件)、2024年度中の統合作戦司令部新設予定などを記述している。
出典: 防衛省「令和6年版 防衛白書」紹介ページ をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和5年版 防衛白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 令和5年版が戦略三文書の策定経緯と概要の説明を中心としたのに対し、令和6年版は三文書に基づく防衛力の抜本的強化の1年間の進捗を説明することに重点を移している。計画の契約額43.5兆円のうち2年間で42%を措置したことなど、進捗を数値で示している。
- 自衛隊発足70年と刊行50回目の節目にあたり、自衛隊70年の歩みを振り返る特集を新たに巻頭に設けた。前年版の巻頭がダイジェストと活躍する自衛隊員の紹介を中心としていたのに対し、組織の歴史を振り返る構成をとっている。
- 2023年12月の防衛装備移転三原則・運用指針の一部改正、スタンド・オフ・ミサイルの取得前倒し、統合作戦司令部の新設予定など、前年版の公表後に具体化した動きを新たに記述している。
主なキーワード
防衛白書とは
防衛白書は、防衛省が日本を取り巻く安全保障環境と防衛政策を国民に説明するために毎年刊行する報告書です。周辺国の軍事動向の分析、国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画(いわゆる安保三文書)に基づく政策、自衛隊の活動実績、防衛関係費、防衛産業や人的基盤の課題までを網羅します。
- 第I部: わが国を取り巻く安全保障環境(各国・地域の軍事動向、宇宙・サイバー・電磁波などの新領域)
- 第II部: わが国の安全保障・防衛政策(安保三文書、防衛力整備の考え方、防衛関係費)
- 第III部: 防衛目標を実現するための取組(自衛隊の活動、日米同盟、防衛協力・交流)
- 第IV部: 共通基盤の強化(人的基盤、防衛生産・技術基盤、地域社会との関わり)
- 資料編: 条約・法令・部隊配置・装備品の一覧
PDF資料(防衛省公式サイト)
白書本文は防衛省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
PDF版を閲覧する(外部サイト) →防衛白書の他の年版
テーマ「未来につながる安全保障」のもと、防衛装備移転三原則の改正と三文書の前倒し改定の年にあたり、「新しい戦い方をめぐる動向」の章と防衛生産・技術基盤の部を新設。防衛関係費8.8兆円、緊急発進595回、自衛官の充足率約9割などを記述。
2025年3月に設置した統合作戦司令部と、自衛官の処遇・勤務環境の改善を巻頭で特集。防衛関係費8.4兆円、中国軍機による領空侵犯、緊急発進704回、第2期トランプ政権の成立など、安全保障環境の変化と防衛力強化の進捗を記述。
2022年12月の国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の策定後初の白書として、三文書の策定経緯と概要を記述。2027年度までの防衛力の抜本的強化と7つの柱、5年間約43兆円の整備計画、「元年」予算とする防衛関係費6兆8,219億円を整理。
ロシアによるウクライナ侵略を扱う章を新設し、国際社会は戦後最大の試練の時を迎えているとの認識を記述。台湾情勢の記述を前年版から大幅に拡充し、宇宙・サイバー・電磁波の新領域、防衛関係費5兆4,005億円、緊急発進1,004回などを整理。
「米国と中国の関係など」の節を新設し、米中間の軍事的なパワーバランスの変化と、台湾情勢の安定がわが国の安全保障にとって重要であることを初めて記述。中国海警の活動、コロナ禍の防衛省・自衛隊、防衛関係費5兆3,422億円、緊急発進725回などを整理。
刊行50周年を記念し、1970年の創刊以来の白書の変遷を振り返る特集「防衛白書50年の歩み」を掲載。新型コロナウイルス感染症が各国の軍事活動に及ぼす影響と自衛隊の対応、宇宙作戦隊の新編をはじめとする新領域の取組、防衛関係費5兆3,133億円などを記述。
関連用語
出典と引用について
本ページの概要・解説は白書ポータル編集部が防衛省の公式ページと白書本文をもとに執筆したものです。 白書本文の著作権は防衛省に帰属します。本文の数値・図表を引用する際は「令和6年版 防衛白書」と該当ページを明記し、防衛省の利用規約に従ってください。