令和4年版 犯罪白書
この年版の概要
令和3年の刑法犯認知件数が56万8,104件と19年連続で減少して戦後最少を更新する一方、再犯者率が48.6%と高止まりしている動向を整理。新型コロナウイルス感染症と刑事政策、犯罪者・非行少年の生活意識と価値観の2テーマを特集。
令和4年版 犯罪白書は、法務省(法務省 法務総合研究所)が2022年12月に公表した犯罪白書の令和4年版です。犯罪白書は法定白書ではなく、法務総合研究所が刊行する年次報告で、例年毎年11月〜12月に公表されています。 翌年版は令和5年版 犯罪白書、前年版は令和3年版 犯罪白書です。
公表当時の背景
令和4年12月の公表時はコロナ禍が3年目に入り、令和2・3年の犯罪動向と刑事司法への影響を検証できる段階にあった。同年6月には懲役と禁錮を一本化して拘禁刑を創設する改正刑法が成立し、4月には18・19歳を特定少年とする改正少年法が施行されるなど、刑事政策の転換期にあたった。こうした中で、コロナ禍と刑事政策の検証に加え、犯罪者・非行少年の生活意識と価値観が特集された。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和4年版 犯罪白書 / 特集 新型コロナウイルス感染症と刑事政策/犯罪者・非行少年の生活意識と価値観
- 令和3年の刑法犯認知件数は56万8,104件(前年比7.5%減)で、19年連続で減少し戦後最少を更新した。検挙人員も戦後最少の約17万5,000人で、そのうち65歳以上が23.6%を占め、前年版の22.8%から上昇しており、検挙人員の高齢化が一段と進んでいると整理している。
- 刑法犯検挙人員に占める再犯者の割合(再犯者率)は48.6%で、前年から0.5ポイント低下したものの高い水準にある。平成29年の出所者の4割近くが5年以内に再入所し、満期釈放者は仮釈放者より再入率が高いと整理し、出所時の釈放形態による差を示している。
- 特集「新型コロナウイルス感染症と刑事政策」では、コロナ禍における社会情勢、犯罪の動向、刑事司法の各段階における感染症の影響と対策を章立てで分析し、コロナ禍の下で窃盗の認知件数が大きく減少したことが、刑法犯全体の認知件数の減少の主因となったことを示している。
- コロナ禍に特有の犯罪として、持続化給付金の詐取など新設された経済対策の制度を悪用した犯罪の検挙が令和2・3年の合計で2,907件に上ったことを示し、認知件数全体が減少する中でも、サイバー犯罪や児童虐待については増加傾向が続いていることもあわせて整理している。
- 少年の刑法犯検挙人員は、緊急事態宣言が発出された令和2年4・5月に前年同月比でほぼ横ばいで、学校の臨時休校など少年に特有の事情が影響した可能性を指摘している。もう一つの特集では、犯罪者・非行少年の生活意識と価値観に焦点を当て、その特徴を分析している。
出典: 法務省「令和4年版 犯罪白書のあらまし」 をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和3年版 犯罪白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 特集は前年版の詐欺事犯者から新型コロナウイルス感染症と刑事政策に移り、感染症が犯罪動向と刑事司法の各段階に与えた影響を正面から扱ったほか、犯罪者・非行少年の生活意識と価値観を加えた2本立てとなった。
- 認知件数は19年連続の減少で戦後最少を更新したが、減少率は前年版の17.9%から7.5%に縮小した。検挙人員に占める65歳以上の割合は22.8%から23.6%へ上昇した。
主なキーワード
犯罪白書とは
犯罪白書は、法務省法務総合研究所が刑法犯の認知件数、検挙、起訴、裁判、矯正、更生保護までの刑事司法の全過程を統計で示す年次報告です。前半で犯罪の動向と処遇の現状を毎年同じ構成で更新し、後半の特集で特定のテーマ(高齢者犯罪、再犯防止、性犯罪、薬物、少年非行の長期動向など)を深く分析します。
- 第1編: 犯罪の動向(刑法犯・特別法犯の認知・検挙状況)
- 第2編: 犯罪者の処遇(検察、裁判、矯正、更生保護)
- 第3編: 少年非行の動向と非行少年の処遇
- 第4編: 各種犯罪の動向と対策(交通、薬物、組織犯罪、外国人、高齢者など)
- 第5編以降: 再犯・再非行の状況と特集テーマ
- 資料統計: 長期時系列の統計表
PDF資料(法務省公式サイト)
白書本文は法務省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
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刑法犯認知件数が3年連続で増加し73.8万件に。少年の検挙人員の増加、18年ぶりに増えた入所受刑者と拘禁刑の運用開始を整理し、犯罪被害実態(暗数)調査と精神障害を有する者の性犯罪被害を特集。
令和5年の刑法犯認知件数が70万3,351件と2年連続で増加し、少年の検挙人員や大麻取締法違反の若年層の増加が目立つ動向を整理。女性犯罪者の実態と処遇を特集し、女性受刑者への特別調査から精神疾患や被害経験、高齢女性による万引きの背景を分析。
令和4年の刑法犯認知件数が60万1,331件と20年ぶりに増加に転じ、少年の刑法犯検挙人員も19年ぶりに増えた動向を整理。非行少年と生育環境を特集し、少年法制の変遷や少年院在院者等への特別調査から、逆境体験や被虐待経験の実態を分析。
令和2年の刑法犯認知件数が前年比17.9%減の61万4,231件と18年連続で減少し、戦後最少を更新した動向を整理。詐欺事犯者の実態と処遇を特集し、検挙人員の約7割を30歳未満が占める特殊詐欺の動向や処遇、再犯の状況を分析し、京都コングレスの成果も紹介。
令和元年の刑法犯認知件数が約74万8,500件と17年連続で減少して戦後最少を更新する一方、検挙人員に占める65歳以上の割合が22.0%に達した動向を整理。薬物犯罪を特集し、覚醒剤事犯をはじめとする薬物犯罪の動向、薬物事犯者の処遇の現状と再犯の状況を分析。
出典と引用について
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