令和2年版 犯罪白書
この年版の概要
令和元年の刑法犯認知件数が約74万8,500件と17年連続で減少して戦後最少を更新する一方、検挙人員に占める65歳以上の割合が22.0%に達した動向を整理。薬物犯罪を特集し、覚醒剤事犯をはじめとする薬物犯罪の動向、薬物事犯者の処遇の現状と再犯の状況を分析。
令和2年版 犯罪白書は、法務省(法務省 法務総合研究所)が2020年11月に公表した犯罪白書の令和2年版です。犯罪白書は法定白書ではなく、法務総合研究所が刊行する年次報告で、例年毎年11月〜12月に公表されています。 翌年版は令和3年版 犯罪白書です。
公表当時の背景
令和2年11月の公表時は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いていたが、収録された統計は感染拡大前の令和元年分で、刑法犯認知件数は平成15年以降の長期減少の延長線上にあった。平成28年6月施行の刑の一部執行猶予制度や、平成29年12月閣議決定の再犯防止推進計画の下で、薬物事犯者の社会内処遇と再犯防止の取組が進められており、薬物事犯者の処遇と再犯が特集テーマとして取り上げられた。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和2年版 犯罪白書 / 特集 薬物犯罪
- 刑法犯認知件数は平成14年に戦後最多の約285万4,000件を記録した後、17年連続で減少し、令和元年は約74万8,500件と戦後最少を更新した。平成15年からの認知件数の減少は、刑法犯の7割以上を占める窃盗の件数が大幅に減少し続けたことに伴うものと整理している。
- 令和元年に刑法犯で検挙された者の人員は、前年をさらに下回って戦後最少の約19万2,600人となった。一方で、そのうち65歳以上の高齢者が22.0%を占めており、認知件数・検挙人員がともに減少を続ける中で、犯罪をした者の高齢化が着実に進んでいると整理している。
- 再犯の状況として、平成27年に刑事施設を出所した者のうち4割近くが、出所後の犯罪により出所後5年以内に刑事施設へ再入所していることを示し、刑事施設からの出所後、比較的短い期間のうちに再び罪を犯して刑事施設に戻る者が一定の割合で存在し続けている実態を示している。
- 特集「薬物犯罪」では、薬物犯罪の動向を覚醒剤、大麻、麻薬等の薬物の種類別に概観し、覚醒剤取締法違反の検挙人員が平成28年から毎年減少していることなど、薬物の種類によって異なる検挙の動きを、それぞれに関連する法令の概要とあわせて整理している。
- 特集では、検察・裁判から矯正、更生保護に至る刑事司法の各段階に沿って薬物事犯者の処遇の現状を順に概観するとともに、薬物事犯者の再犯の状況を分析しており、薬物犯罪の動向、処遇の現状、再犯の状況という三つの観点から薬物犯罪の実情を捉える構成としている。
出典: 法務省「令和2年版 犯罪白書のあらまし」 をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
- 令和元年版の特集「平成の刑事政策」が平成の約30年間の刑事政策を総括する内容だったのに対し、薬物犯罪という個別の犯罪類型に焦点を絞り、動向・処遇・再犯を一体で分析する構成に変わった。
- 統計面では、平成30年の動向を扱った前年版に続いて刑法犯認知件数の減少が続き、令和元年は17年連続の減少で戦後最少を更新した。検挙人員の高齢化が進んでいる点も引き続き示された。
主なキーワード
犯罪白書とは
犯罪白書は、法務省法務総合研究所が刑法犯の認知件数、検挙、起訴、裁判、矯正、更生保護までの刑事司法の全過程を統計で示す年次報告です。前半で犯罪の動向と処遇の現状を毎年同じ構成で更新し、後半の特集で特定のテーマ(高齢者犯罪、再犯防止、性犯罪、薬物、少年非行の長期動向など)を深く分析します。
- 第1編: 犯罪の動向(刑法犯・特別法犯の認知・検挙状況)
- 第2編: 犯罪者の処遇(検察、裁判、矯正、更生保護)
- 第3編: 少年非行の動向と非行少年の処遇
- 第4編: 各種犯罪の動向と対策(交通、薬物、組織犯罪、外国人、高齢者など)
- 第5編以降: 再犯・再非行の状況と特集テーマ
- 資料統計: 長期時系列の統計表
PDF資料(法務省公式サイト)
白書本文は法務省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
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刑法犯認知件数が3年連続で増加し73.8万件に。少年の検挙人員の増加、18年ぶりに増えた入所受刑者と拘禁刑の運用開始を整理し、犯罪被害実態(暗数)調査と精神障害を有する者の性犯罪被害を特集。
令和5年の刑法犯認知件数が70万3,351件と2年連続で増加し、少年の検挙人員や大麻取締法違反の若年層の増加が目立つ動向を整理。女性犯罪者の実態と処遇を特集し、女性受刑者への特別調査から精神疾患や被害経験、高齢女性による万引きの背景を分析。
令和4年の刑法犯認知件数が60万1,331件と20年ぶりに増加に転じ、少年の刑法犯検挙人員も19年ぶりに増えた動向を整理。非行少年と生育環境を特集し、少年法制の変遷や少年院在院者等への特別調査から、逆境体験や被虐待経験の実態を分析。
令和3年の刑法犯認知件数が56万8,104件と19年連続で減少して戦後最少を更新する一方、再犯者率が48.6%と高止まりしている動向を整理。新型コロナウイルス感染症と刑事政策、犯罪者・非行少年の生活意識と価値観の2テーマを特集。
令和2年の刑法犯認知件数が前年比17.9%減の61万4,231件と18年連続で減少し、戦後最少を更新した動向を整理。詐欺事犯者の実態と処遇を特集し、検挙人員の約7割を30歳未満が占める特殊詐欺の動向や処遇、再犯の状況を分析し、京都コングレスの成果も紹介。
出典と引用について
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