令和6年版 犯罪白書
この年版の概要
令和5年の刑法犯認知件数が70万3,351件と2年連続で増加し、少年の検挙人員や大麻取締法違反の若年層の増加が目立つ動向を整理。女性犯罪者の実態と処遇を特集し、女性受刑者への特別調査から精神疾患や被害経験、高齢女性による万引きの背景を分析。
令和6年版 犯罪白書は、法務省(法務省 法務総合研究所)が2024年12月に公表した犯罪白書の令和6年版です。犯罪白書は法定白書ではなく、法務総合研究所が刊行する年次報告で、例年毎年11月〜12月に公表されています。 翌年版は令和7年版 犯罪白書、前年版は令和5年版 犯罪白書です。
公表当時の背景
令和6年12月の公表時は、刑法犯認知件数が2年連続で増加し、窃盗や特殊詐欺を含む詐欺の増加が続いていた。令和7年6月の拘禁刑の施行を控え、受刑者一人一人の特性に応じた処遇の在り方が課題となる中で、女性受刑者に見られる高齢化や精神疾患、被害経験などの実態を特別調査により把握し、女性犯罪者の処遇と刑事手続終了後の支援を特集した。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和6年版 犯罪白書 / 特集 女性犯罪者の実態と処遇
- 令和5年の刑法犯認知件数は70万3,351件(前年比17.0%増)で2年連続増加。窃盗は48万3,695件(同18.6%増)で自転車盗・万引きが増え、詐欺も4万6,011件(同21.3%増)と特殊詐欺を含め3年連続で増加した。
- 少年による刑法犯検挙人員は令和5年に2万6,206人(前年比25.3%増)で2年連続増加。大麻取締法違反の検挙人員は6,703人(同20.9%増)で、20歳代・20歳未満を中心に若年層の増加が目立った。
- 令和5年の女性の刑法犯検挙人員は4万6,813人で女性比19.5%。女性の検挙人員の57.1%が窃盗で、その75.7%が万引き。女性入所受刑者は窃盗と覚醒剤取締法違反で約8割を占め、65歳以上の割合は22.7%と男性より高い。
- 女性受刑者461人等への特別調査では、精神疾患ありが53.5%(男性22.6%)、無職の理由は「健康上の理由」が60.0%で最多。薬物事犯の女性は配偶者・交際相手からの被害経験や小児期逆境体験が多く、共犯者が配偶者・交際相手である割合も高かった。
- 60歳以上の女性窃盗事犯者は万引きが95.9%で、一人暮らしが38.7%と最多、困りごとを相談しなかった理由は「相談相手がいなかった」が58.8%。加齢による不安や孤立を背景に、地域相談窓口の周知や刑事手続終了後の継続支援の拡充が提言された。
出典: 法務省「令和6年版 犯罪白書」のあらまし をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和5年版 犯罪白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 特集は前年版の非行少年と生育環境から女性犯罪者の実態と処遇に移り、女性受刑者等への特別調査により、精神疾患、配偶者・交際相手からの被害経験、高齢女性の孤立など、女性に特有の背景を分析した。
- 認知件数は令和4年の60万1,331件から令和5年は70万3,351件となり、2年連続で増加した。少年の刑法犯検挙人員も2年連続で増加し、大麻取締法違反では若年層の増加が目立った。
主なキーワード
犯罪白書とは
犯罪白書は、法務省法務総合研究所が刑法犯の認知件数、検挙、起訴、裁判、矯正、更生保護までの刑事司法の全過程を統計で示す年次報告です。前半で犯罪の動向と処遇の現状を毎年同じ構成で更新し、後半の特集で特定のテーマ(高齢者犯罪、再犯防止、性犯罪、薬物、少年非行の長期動向など)を深く分析します。
- 第1編: 犯罪の動向(刑法犯・特別法犯の認知・検挙状況)
- 第2編: 犯罪者の処遇(検察、裁判、矯正、更生保護)
- 第3編: 少年非行の動向と非行少年の処遇
- 第4編: 各種犯罪の動向と対策(交通、薬物、組織犯罪、外国人、高齢者など)
- 第5編以降: 再犯・再非行の状況と特集テーマ
- 資料統計: 長期時系列の統計表
PDF資料(法務省公式サイト)
白書本文は法務省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
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刑法犯認知件数が3年連続で増加し73.8万件に。少年の検挙人員の増加、18年ぶりに増えた入所受刑者と拘禁刑の運用開始を整理し、犯罪被害実態(暗数)調査と精神障害を有する者の性犯罪被害を特集。
令和4年の刑法犯認知件数が60万1,331件と20年ぶりに増加に転じ、少年の刑法犯検挙人員も19年ぶりに増えた動向を整理。非行少年と生育環境を特集し、少年法制の変遷や少年院在院者等への特別調査から、逆境体験や被虐待経験の実態を分析。
令和3年の刑法犯認知件数が56万8,104件と19年連続で減少して戦後最少を更新する一方、再犯者率が48.6%と高止まりしている動向を整理。新型コロナウイルス感染症と刑事政策、犯罪者・非行少年の生活意識と価値観の2テーマを特集。
令和2年の刑法犯認知件数が前年比17.9%減の61万4,231件と18年連続で減少し、戦後最少を更新した動向を整理。詐欺事犯者の実態と処遇を特集し、検挙人員の約7割を30歳未満が占める特殊詐欺の動向や処遇、再犯の状況を分析し、京都コングレスの成果も紹介。
令和元年の刑法犯認知件数が約74万8,500件と17年連続で減少して戦後最少を更新する一方、検挙人員に占める65歳以上の割合が22.0%に達した動向を整理。薬物犯罪を特集し、覚醒剤事犯をはじめとする薬物犯罪の動向、薬物事犯者の処遇の現状と再犯の状況を分析。
関連用語
出典と引用について
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