刑法犯認知件数
刑法犯認知件数は、警察が発生を認知した刑法犯の件数で、犯罪の量を測る最も基本的な指標です。法務省法務総合研究所の犯罪白書が毎年、冒頭の犯罪の動向で前年の数値を示しています。ここでは令和2年版から令和7年版までの6つの年版が示した値を、対象年の順に並べています。
推移
単位: 件(掲載: 犯罪白書)
| 年版 | 対象期間 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 令和2年版 | 令和元年 (2019年) | 約74万8,500件17年連続の減少で戦後最少を更新 | 令和2年版 犯罪白書 |
| 令和3年版 | 令和2年 (2020年) | 61万4,231件前年比17.9%減。18年連続の減少で戦後最少を更新 | 令和3年版 犯罪白書 |
| 令和4年版 | 令和3年 (2021年) | 56万8,104件前年比7.5%減。19年連続の減少で戦後最少を更新 | 令和4年版 犯罪白書 |
| 令和5年版 | 令和4年 (2022年) | 60万1,331件前年比5.8%増。20年ぶりの増加 | 令和5年版 犯罪白書 |
| 令和6年版 | 令和5年 (2023年) | 70万3,351件前年比17.0%増。2年連続の増加 | 令和6年版 犯罪白書 |
| 令和7年版 | 令和6年 (2024年) | 73万7,679件前年比4.9%増。3年連続の増加で、令和元年の98.5%の水準 | 令和7年版 犯罪白書 |
この数字の定義
刑法犯認知件数は、被害の届出や通報、警察自身の捜査などによって、警察が犯罪の発生を認知した刑法犯の件数です。元になるのは警察庁の犯罪統計で、犯罪白書はこれを引用し、検察・矯正・保護の統計とあわせて、刑事司法の流れの入口にあたる数字として示しています。
集計は暦年(1月から12月)単位で、各年版には刊行年の前年の数値が収録されます。刑法犯には窃盗、詐欺、暴行・傷害などが含まれ、件数の多くを窃盗が占めます。被疑者を特定した事件の数である検挙件数や、検挙した人数である検挙人員とは別の指標です。覚醒剤取締法違反などの特別法犯は刑法犯に含まれず、別に集計されます。
白書での使われ方
犯罪白書は認知件数を、平成14年の戦後最多からの長期的な減少と、その後の反転を示す指標として使っています。令和2〜4年版は戦後最少の更新を伝え、令和5年版は20年ぶりの増加を、令和7年版は3年連続の増加でコロナ禍前の水準にほぼ戻ったことを示しました。長期の減少局面から増加局面への転換点を、年版をまたいで確認できる系列です。
動きの説明では、刑法犯の7割前後を占める窃盗の増減が主因として繰り返し挙げられます。令和4年版はコロナ禍の下での窃盗の減少を、令和6年版は自転車盗・万引きや特殊詐欺を含む詐欺の増加を取り上げ、令和7年版は統計に表れない被害を暗数調査で補っています。
読むときの注意
- 年版と対象年は1年ずれます。たとえば令和7年版の値は令和6年の件数で、令和7年の件数ではありません。本サイトには令和8年版の犯罪白書をまだ収録していません。
- 令和2年版の値は「約」付きの概数で、他の年版の確定値とは表記の精度が異なります。前年との増減は、各年版が示した前年比を参照してください。
- 認知件数は警察が把握した件数で、被害者が届け出ない犯罪は含まれません。増減は犯罪の発生だけでなく、届出や認知の状況、コロナ禍の行動制限のような社会の変化にも左右されます。