令和4年版 情報通信白書
この年版の概要
白書刊行から50年を節目に、1973年以降のICTサービス・技術の高度化とICTを取り巻く国際情勢の変化を5つの時期に分けて振り返る特集。生産年齢人口の減少や災害の激甚化、データ流通の増加などの課題を踏まえ、今後の日本社会でICTが果たす役割を展望。
令和4年版 情報通信白書は、総務省(総務省 情報流通行政局 情報通信政策課 情報通信経済室)が2022年7月に公表した情報通信白書の令和4年版です。情報通信白書は法定白書ではなく、総務省が刊行する年次報告で、例年毎年7月に公表されています。 翌年版は令和5年版 情報通信白書、前年版は令和3年版 情報通信白書です。
公表当時の背景
2022年はデジタル庁の発足後初めての通年にあたり、政府がデジタル田園都市国家構想を掲げて地方のデジタル実装を進めていた年である。2月のロシアによるウクライナ侵攻で国際情勢が大きく揺らぎ、経済安全保障やエネルギー需給への関心も高まった。白書は7月5日に公表され、刊行50年の節目としてICTとデジタル経済の半世紀を振り返るとともに、国際情勢の変化や電力需要・温暖化を含む中長期の課題とICTの役割を展望している。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和4年 情報通信に関する現状報告 / 特集 情報通信白書刊行から50年 〜ICTとデジタル経済の変遷〜
- 第1部の特集は、情報通信白書の刊行から50年を迎えたことを機に、ICTサービス・技術の進化とICTを取り巻く国際情勢の変化を概観し、今後の日本社会でICTが果たす役割を展望する構成になっている。令和4年版は昭和48年の第1回から数えて50回目の公表にあたる。
- 序章では白書刊行当初と現在の環境を比較し、主なコミュニケーション手段が加入電話から携帯電話・SNSへ、映像視聴がアナログ地上波テレビから衛星放送・CATV・インターネット動画配信へ、企業のデータ処理が汎用機からクラウドへと移ったことを整理している。
- 第1章では過去50年を、アナログ通信・放送の時代、通信・放送市場の発展と新たなサービスの登場、インターネットと携帯電話の普及、ブロードバンド化とモバイル活用の拡大、社会・経済インフラとしての定着(2015年以降)の5期に区分し、制度・サービス・技術の変化を振り返っている。
- 今後の展望では、生産年齢人口の減少、地方の少子高齢化、災害の頻発化・激甚化、インフラの老朽化、データ流通とトラヒックの増加、電力需要の増加と温暖化を課題に挙げ、ICTによる労働生産性の向上や地域活性化など、今後の日本社会でICTが果たしうる役割を検討している。
- 第2部では、2021年の世界のICT市場(支出額)を465.2兆円(前年比12.5%増)と推計。2020年度の国内の民間ICT投資は12兆9,700億円(前年度比0.6%増)で、新型コロナによる業績不振で中小企業が投資を見送る一方、大企業は概ね計画どおり投資を進めたとしている。
出典: 総務省「令和4年 情報通信白書のポイント」 をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和3年版 情報通信白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 令和3年版がコロナ禍で浮き彫りになった日本のデジタル化の遅れを2000年頃以降の政策史から分析したのに対し、令和4年版は白書刊行50年を機に対象期間を1973年まで広げ、ICTとデジタル経済の長期的な変遷を振り返る構成となった。
- 国民生活・企業活動・公的分野のデジタル活用の現状検証が中心だった前年版から、ICTを取り巻く国際情勢の変化や、プラットフォーマーを含むレイヤー別の市場構造の推移へと視野を広げている。
- 生産年齢人口の減少や災害の激甚化、インフラの老朽化、電力需要の増加と温暖化など中長期の社会課題を起点に、労働生産性の向上や地域活性化など今後ICTが果たす役割を展望する視点が加わった。
主なキーワード
情報通信白書とは
情報通信白書は、総務省が ICT(情報通信技術)分野の動向を毎年まとめる報告書です。通信・放送・インターネット・デジタルサービスの利用実態や産業規模を、総務省の通信利用動向調査や独自のアンケート・国際比較調査をもとに整理しています。前半は年ごとの特集テーマ(近年は AI・データ流通・デジタル化と地域など)、後半は毎年同じ構成で統計を更新する「現状と課題」編という二部構成が定着しています。
- 第1部: 特集(その年のテーマを掘り下げる分析編)
- 第2部: 情報通信分野の現状と課題(ICT 市場、通信・放送・郵便、利用動向、政策の動き)
- 巻末資料: 用語解説、図表一覧
PDF資料(総務省公式サイト)
白書本文は総務省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
PDF版を閲覧する(外部サイト) →情報通信白書の他の年版
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出典と引用について
本ページの概要・解説は白書ポータル編集部が総務省の公式ページと白書本文をもとに執筆したものです。 白書本文の著作権は総務省に帰属します。本文の数値・図表を引用する際は「令和4年版 情報通信白書」と該当ページを明記し、総務省の利用規約に従ってください。