令和2年版 情報通信白書
この年版の概要
新型コロナウイルス感染症を契機とする新たな日常を見据え、2020年3月に商用サービスが始まった5Gが経済社会にもたらすデジタル変革を特集。データ流通と5G時代のサイバーセキュリティ、2030年代の社会像とBeyond 5Gに向けた動向も整理。
令和2年版 情報通信白書は、総務省(総務省 情報流通行政局 情報通信政策課 情報通信経済室)が2020年8月に公表した情報通信白書の令和2年版です。情報通信白書は法定白書ではなく、総務省が刊行する年次報告で、例年毎年7月に公表されています。 翌年版は令和3年版 情報通信白書です。
公表当時の背景
2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、4月の緊急事態宣言を経てテレワークやオンライン授業、遠隔診療が急速に広がった年である。同年3月には国内で5Gの商用サービスが始まり、6月には「Beyond 5G推進戦略」が取りまとめられた。白書は例年の7月ではなく8月4日の公表となり、感染症を契機とする新たな日常の構築と、5Gによるデジタル変革を結び付けて特集している。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和2年 情報通信に関する現状報告 / 特集 5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築
- 第1部の特集は、新型コロナウイルス感染症の流行を契機にテレワークや遠隔教育・遠隔医療などオンラインを前提とした生活様式・働き方への移行が進む中、5Gの登場で移動通信システムが通信基盤から生活基盤、更には産業・社会基盤へと進化する影響を分析する構成になっている。
- 第1章では5Gの概要や各国の周波数割当て・サービス開始状況を整理。国内では2020年3月にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが相次いで5Gの商用サービスを開始し、各社の料金プランはデータ通信量無制限など高速大容量通信を前提とした内容だったとしている。
- 第2章では新型コロナウイルス感染症が情報流通に与えた影響と各分野の業務継続に向けた取組を取り上げ、収束後の社会を展望。あわせて防災・交通(自動運転)・製造業・娯楽などの分野を5Gの実装がどう変革しうるか、国内外の事例をもとに考察している。
- 第3章ではデータ活用に関する意識の変化を海外と比較し、5G時代のサイバーセキュリティを取り上げている。IoT機器の普及に伴うリスクは見落とされがちだとして利用者の意識醸成の重要性に触れ、日本企業はサイバーセキュリティへの危機意識が比較的高いと分析している。
- 第4章では、サイバー空間とフィジカル空間の一体化が進み、感染症や大規模災害の際にも国民生活や経済活動を維持できる2030年代の社会像を「Inclusive」「Sustainable」「Dependable」の観点から描き、2020年6月に取りまとめた「Beyond 5G推進戦略」を紹介している。
出典: 総務省「令和2年 情報通信白書のポイント」 をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
- 令和元年版は平成期のICTの変遷を振り返り、デジタル経済とその先にあるSociety 5.0を展望する構成だったのに対し、令和2年版は5Gという通信基盤に焦点を移し、その導入がもたらすデジタル変革を特集の軸に据えている。
- 新型コロナウイルス感染症の流行を受け、テレワークや遠隔教育などオンラインを前提とした「新たな日常」と分散型社会への移行が問題意識に加わり、感染症が情報流通や業務継続に与えた影響を扱う章が設けられた。
- 将来展望の対象がSociety 5.0から、サイバー空間とフィジカル空間の一体化が進む2030年代の社会像とBeyond 5Gへと移り、5G時代のサイバーセキュリティも特集の一節として取り上げられた。
主なキーワード
情報通信白書とは
情報通信白書は、総務省が ICT(情報通信技術)分野の動向を毎年まとめる報告書です。通信・放送・インターネット・デジタルサービスの利用実態や産業規模を、総務省の通信利用動向調査や独自のアンケート・国際比較調査をもとに整理しています。前半は年ごとの特集テーマ(近年は AI・データ流通・デジタル化と地域など)、後半は毎年同じ構成で統計を更新する「現状と課題」編という二部構成が定着しています。
- 第1部: 特集(その年のテーマを掘り下げる分析編)
- 第2部: 情報通信分野の現状と課題(ICT 市場、通信・放送・郵便、利用動向、政策の動き)
- 巻末資料: 用語解説、図表一覧
PDF資料(総務省公式サイト)
白書本文は総務省の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
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出典と引用について
本ページの概要・解説は白書ポータル編集部が総務省の公式ページと白書本文をもとに執筆したものです。 白書本文の著作権は総務省に帰属します。本文の数値・図表を引用する際は「令和2年版 情報通信白書」と該当ページを明記し、総務省の利用規約に従ってください。