令和6年版 経済財政白書
この年版の概要
副題「熱量あふれる新たな経済ステージへ」の下、名目GDPの過去最高水準、33年ぶりの高水準の賃上げと価格転嫁の進展を踏まえ、デフレに後戻りしない経済構造への移行を分析。人手不足下の転職市場と省力化投資、外国人労働者、家計資産などストック活用の課題を整理。
令和6年版 経済財政白書は、内閣府(内閣府 政策統括官(経済財政分析担当))が2024年8月に公表した経済財政白書の令和6年版です。経済財政白書は法定白書ではなく、閣議に配布される「年次経済財政報告」を一般向けに刊行したもので、例年毎年7月下旬〜8月に公表されています。 翌年版は令和7年版 経済財政白書、前年版は令和5年版 経済財政白書です。
公表当時の背景
2024年は春季労使交渉の賃上げ率が33年ぶりの高水準となり、消費者物価上昇率も2%台で推移した年である。1月に新しいNISA制度が始まり、3月には日本銀行がマイナス金利政策を解除した。名目GDPが597兆円と過去最高水準となる一方で個人消費は力強さを欠き、白書はデフレからの脱却を確かなものにし、新たな経済ステージへ移行するための課題を主題に据えた。
この年版のポイント
正式名称・テーマ: 令和6年度 年次経済財政報告 / 熱量あふれる新たな経済ステージへ
- 名目GDPが597兆円と過去最高水準に増加し企業収益・設備投資意欲も高い一方、個人消費は主要先進国と比べ力強さを欠くこと、企業の現預金が国際的に突出し潜在成長率が低水準にとどまることを整理している。
- 消費者物価上昇率が2%台で推移し、2024年春季労使交渉の賃上げ率が33年ぶりの高水準となり、仕入価格から販売価格への転嫁がデフレ以前の状況に回帰しているとして、デフレに後戻りしない経済構造への移行を検証している。
- 人手不足感の高まりの下で転職市場が拡大し人材獲得競争が激化する中、企業が賃上げと省力化投資を強化していること、職種別の求人倍率の差やAIによる業務代替の可能性からリ・スキリングの重要性を分析している。
- 外国人労働者が雇用者の3.4%まで増加し、勤続年数等の条件を揃えると日本人との賃金差が7%まで縮小していることを示し、高スキル人材の定着支援の課題を取り上げている。
- 家計金融資産の過半が現預金である一方NISA拡大で若年層中心に資産運用の機運が高まる点、住宅取得の4分の1が中古住宅となった点、高齢者の労働参加率が高い点など、ストック活用による豊かさ実現の課題を分析している。
出典: 内閣府「令和6年度 年次経済財政報告」説明資料 をもとに白書ポータル編集部が要約。数値は資料記載時点のもの。
前年版からの変化
前年版の令和5年版 経済財政白書と比べて、主に次の点が変わっています。
- 前年版「動き始めた物価と賃金」から副題が「熱量あふれる新たな経済ステージへ」となり、物価と賃金の動きがデフレに後戻りしない経済構造への移行につながっているかを検証する構成になった。
- 前年版の家計所得と少子化の分析に代わり、人手不足下の転職市場の拡大と省力化投資、AIによる業務代替とリ・スキリング、外国人労働者の賃金など、労働市場の分析が厚くなった。
- 家計金融資産の運用、住宅取得に占める中古住宅の割合、高齢者の労働参加など、蓄積されたストックを活用して豊かさを実現するという視点が新たに加わり、家計の資産形成も論点となった。
主なキーワード
経済財政白書とは
経済財政白書は、内閣府が毎年まとめる日本経済のマクロ分析報告です。正式名称は「年次経済財政報告」で、景気の現状判断に加え、その年の政策論点(物価と賃金、生産性、人口減少、財政の持続可能性など)を統計データと計量分析で検証します。各年版には「—」で区切られたサブタイトルが付き、その年の分析テーマを端的に示しています。
- 第1章: 日本経済の現状と課題(景気動向・物価・雇用・金融のマクロ分析)
- 第2章・第3章: その年のテーマ分析(例: 賃金と物価の関係、企業の投資行動、家計の所得と消費)
- 「むすび」: 全体の要約と政策への含意
- 付注・付図表: 推計手法と統計の出典。本文の数値を再利用するときに参照する
PDF資料(内閣府公式サイト)
白書本文は内閣府の公式サイトで PDF として無償公開されています。章ごとの分割 PDF と全文 PDF が用意されているのが一般的です。
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2026年春の中東情勢緊迫化による原油価格上昇が物価・賃金に与える影響と、デフレ脱却の4指標を点検。賃金・物価・金利が変動する経済が家計に与える影響、AIによる業務代替など労働市場の変化、金利上昇下での企業の設備投資の積極化を分析。
戦後3番目の長さとなった景気回復局面と米国の関税措置などの先行きリスクを分析。食料品を中心とした物価上昇の下での賃上げと物価の好循環、所得対比で緩やかな個人消費の回復、労働市場の構造変化、企業資金の国内投資への転換を検証。
副題「動き始めた物価と賃金」の下、40年ぶりの物価上昇と30年ぶりの高い水準の賃上げを受けたマクロ経済の動向と物価の基調を分析。若年層の所得と結婚・出産の関係など家計の所得向上と少子化の論点、企業の収益性向上に向けた課題を整理。
副題「人への投資を原動力とする成長と分配の好循環実現へ」の下、感染症後の実体経済、原材料価格の上昇とデフレ脱却、財政の現状を分析。人口減少下の労働力の確保と質の向上、男女間賃金格差やリスキリング、成長力拡大に向けた投資の課題を整理。
副題「レジリエントな日本経済へ」の下、2021年前半までの経済動向と、デジタル化や温暖化対応を含む経済の対応力・成長力強化に向けた三つの課題を分析。企業からみた経済の変化と課題、情報通信業への投資の遅れ、IT分野などへの労働移動とリカレント教育の論点を整理。
副題「コロナ危機:日本経済変革のラストチャンス」の下、感染症拡大が家計・企業・対外経済、賃金・物価に与えた影響と財政金融政策の対応を分析。テレワークなど働き方改革の進捗、女性の「L字カーブ」解消を含む継続就業、ネット消費などデジタル化の動きと課題を整理。
令和6年版のキーワード分析
令和6年版 経済財政白書は当サイトのテキストマイニング分析の対象です(対象: 経済財政・情報通信・中小企業の 3 白書)。令和6年版の対象白書から抽出した頻出語のランキングと、省庁ごとの上位語を分析ページに掲載しています。
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出典と引用について
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